【報告】2025年度総会・懇親会 「西高生クイズ」で大盛況!

2025.11.26

SHARE ON

2025年10月25日(土)、ホテル「グランドメルキュール札幌大通公園」の大宴会場にて第108回輔仁会総会・懇親会が催され、懇親会は余興「西高生クイズ」で大いに盛り上がりました。テーブル同士で争われたこのクイズ大会は、西高34・35期の混合チームである「23番テーブル」が本戦に全問正解し、さらに優勝決定のじゃんけん合戦を見事制して優勝。賞品の1万円分商品券(人数分)と副賞を勝ちとりました。

「西高生クイズ」はその名の通り、予選も本戦も全て北海道札幌西高等学校にまつわる出題で、当番期(西高47期・西定48期)実行委員会がこの日のために周到に準備を重ねてきた催しです。懇親会の余興でクイズが行われたのは、2019年度以来。

予選は○×、本戦は3択で争われたこの西高生クイズの特長は、その非常に凝った出題にありました。たとえば予選の、

「札幌西高の校章には"西高"の"西"の字がデザインされている。○か×か」(註1)

や、本戦の、

「札幌西高45期の蔦谷好位置さんが作曲した『凛凛(riri)』は、主に何に向けたソングでしょう。 1 卒業  2 部活動応援  3 お弁当スペシャル」(註2)

など、つい解きたくなるような出題ばかり。当番期実委クイズ・リーダーの青井(旧姓山本)薫さん(西高47期)を中心に、中野邦彦さん(同)らが作問にあたり、テレビ番組「パネルクイズアタック25」の優勝経験者である須川正啓さん(西高52期)が監修を手がけました。

中でも予選の、

「現在の校舎の正面にある黒松は、二中時代の初代校舎の時から生き続けている黒松である。○か×か」(註3)

や、

「1960年代の学生運動の頃、北海道で初めて高校生デモに参加したのは札幌西高である。○か×か」(註4)

の正解が発表されたときには、大きな歓声と拍手が起こり、正解チームでは熱烈なガッツ・ポーズも見られました。

予選を勝ち抜いた数チームがステージに上がって競った本戦では、最後まで1問も間違えないチームが4つも出るという予想外の接戦に。司会の青井さんと林直明さん(西高47期)による絶妙な盛り上げを経て、手に汗握るじゃんけん合戦へと突入しました。優勝した「23卓」の他、現校長の相馬利幸先生が代表として登壇した「6卓」もじゃんけんまで残り、2位を獲得。また記者個人の感想によれば、3位をさらった「34卓」が場内で一番熱狂していました。

■現役生の登壇に大喝采

今年度の総会・懇親会出席者は、336名。例年通りはじめに30分ほどの総会が行われ、それから当番期の運営する懇親会が、道見由貴・東京支部会会長(西高28期)による乾杯の発声とともに、にぎにぎしく開催されました。

相馬校長のスピーチでは、現役の西高生2名が登壇するという異例の場面も。この2名は「西高ドリームプロジェクト2025」でグランプリを勝ちとった、全日制2年の佐々木美央さんと伊達心春さんです。ドリームプロジェクトは、輔仁会が現役生の挑戦を応援する事業。今年7月の最終選考会で卓越したプレゼンテーションにより見事グランプリに選ばれたこの2人の挑戦とは、「海面上昇について危機に直面した現地で調査・取材し、番組を作る!」というものです。西高放送局に所属し、将来はマスコミを志望する伊達さんは7月の選考会のとき、「NHK杯全国高校放送コンテスト」(註5)のため欠席。折悪しく手を怪我していた佐々木さんは、マイクを持ちにくそうにしながら2人分頑張ったのでした。あれから3ヶ月。ついに2人そろった伊達さんと佐々木さんが、懇親会で大勢の先輩たちを前に、

「意識調査によると西高生は全国の一般的な若者よりは環境問題に対する関心が高いと言えるが、いざ行動に移そうにも何をしてよいか分からないという傾向が伺える」

といった自分たちの問題意識や、パラオへ渡って現場を取材する構想等を堂々と語り、満場の喝采を浴びました。あるOBは、「本当に立派な姿で感動」と嘆息です。

相馬校長はこの他にもスピーチの中で、今年度の部活動の成果を次々と披露。文芸部の部誌『桑畑』に掲載された同部3年・山口晴日さんによる評論が、文部科学大臣賞(全国1位に相当)を受賞したことを述べた場面では、大きなどよめきとともに拍手が巻き起こりました。さらに、前述のドリームプロジェクトで札幌西ロータリークラブ賞を受賞した定時制4年の水野琶月さんらによる挑戦「戦後80年。被爆地広島で世界の平和を祈りたい。~現地高校生、被爆関係者との交流」が実現して札幌へ帰って来るのがちょうど懇親会と同じタイミングであることへも、相馬校長と、輔仁会企画特別委員会の若月裕之委員長(西高41期)とが、それぞれ懇親会と総会で言及していました。

このように、現役の頑張る姿へ注目が集まったのが今年の懇親会と言えそうです。

いっぽう、来年度当番期(西高48期・西定49期)への引継のセレモニーも行われ、次期実行委員長・斯波充さん(西高48期)は、西高のすべての教室にエア・コンディショナーを設置する構想を発表。新しい当番期スローガン「西々流転」もスクリーンに大きく映じられました。

斯波さんは、今年度当番期実行委員長の成田祐樹さん(西高47期)から当番期の盾を受け取り、エアコン設置構想に関し「できない理由なんてどうでもいいです。必要なのは、お金です」と意気込みを見せて、拍手と笑いを同時に誘いました。

■大人になっても西高祭気分で盛り上げた47期

今年もまた、懇親会盛会の裏には、当番期実行委員による周到な計画と一方ならぬ努力がありました。

オープニング・アクトは、西高47期の川口(旧姓村川)琴絵さんと猪口佳奈さんのデュオ「コトカナ」による和楽器・箏(こと)の合奏です。美しくも、明るくウキウキするような曲『飛躍』の演奏で当番期メンバーらがステージ上にずらりと並び、続いてこの2人による元気な「スタートです!」の声で懇親会の幕は開きました。「コトカナ」は、卒業後に結成された異流派デュオ。川口さんは村川秀聆桜(しゅうれいおう)の名で宮下流筝曲宮下社師範、また猪口さんは正派邦楽会大師範です。

司会進行は、同47期の山縣(旧姓及川)香さんと佐藤(旧姓工藤)絵里さんが、耳に優しい、とても聞きとり易い声で見事に担いました。山縣さんは校歌や『われら』の合唱・斉唱の際、ピアノ伴奏も担当するという二刀流。いっぽう佐藤さんは現役時代、放送局長で、実は当時の西高生たちが毎日のように聞いていた声の主です。

その他にも、あらゆる細部に実行委員らの苦心が行き届いていました。たとえば歓談時、会場側面のスクリーンにはこの1年間の輔仁会行事の写真がスライド上映されました。これは、岡田留美さん(西高47期)がセレクトしたたくさんの写真を道明誉裕さん(同)がスライド映像に仕立て、中里基仁さん(同)が全体を構成した一連のスライドの中に組み入れたもの。道明さんは当日参加ができず、遠隔地からのアシストでした。

もちろん受付や誘導、クイズのスコア表示、照明や音響、グッズの販売等々でも、たくさんの当番期生たちが貢献。グッズ販売では、繁永幸大さん(西高47期)らの尽力により、スマートフォンによるキャッシュレス決済が、輔仁会懇親会史上初めて可能となりました。

グッズといえば、今年の主力商品は蒸溜酒・ジン。(株)積丹スピリットの岩崎秀威さん(西高47期)が中心となり開発したオリジナルのジン「輔GIN」が当日の会場でも販売され、売上も上々です。岩崎さんは登壇もし、このお洒落で斬新な商品を堂々とPRしました。

なお当日は、同窓会誌『輔仁 第108号』の発行日にも相当。今年亡くなった芥川賞作家・李恢成さん(西高5期)のご子息やご友人に取材した追悼記事などが掲載されて史料的価値も高いこの最新号は、画家の池田光弘さん(西高47期)による抽象画が表紙を飾り、その黄色の彩りが非常に印象的で、来場者へ手渡されるや、さっそく会場のそこここで読まれていました。

笠間聖司輔仁会会長のスピーチ

 

齊藤隆輔仁会定時部会長のスピーチ

 

■総会議案、可決さる

懇親会前に行われた総会では、長内孝雄さん(西高32期)が推薦されて議長を務めました。質疑は特に出ず、全ての議案が可決されました。

 

註1 正解は○。校章の中央にあるのは「髙」の字ですが、周囲には「西」の字をデフォルメした突起が放射状にあしらわれています。

註2 正解は2。卒業ソングは『標(しるし)』です。

註3 正解は○。

註4 正解は○。当時の校長は条件つきで参加を認めたとのエピソードも。

註5 ラジオドキュメント部門で西高が全国優勝。

【西高47期 熊谷直己】

一覧へ戻る