【第76回 全日制卒業式】
2026.04.01
3月1日、第76回卒業式が挙行されました。

春の訪れとともに雪解けが進み、
記録的な大雪も、過ぎ去れば静かに日常へと溶け込んでいく。
そんな季節の中で迎えた、門出の日でした。
移りゆくものがある一方で、西高に流れる時間は、今も変わらず受け継がれていました。
式を前に、廊下で待機する生徒たちは中庭を眺めながら、友人と談笑したり、それぞれの時間を静かに過ごしていました。

これから向かう最後の舞台、体育館への移動を前にした緊張感の中、
「一人一人が主役だからな。胸を張って歩くんだぞ」
という先生の言葉に、自然と背筋を伸ばす姿が印象的でした。
卒業生が体育館へ移動した後の教室には、誰もいない静けさ。
机の上には卒業アルバム。書き込まれたメッセージと、空になった棚が、
ここが「最後の教室」であることを、静かに物語っていました。

満員の体育館には、三年間の想いが集まっていました。
在校生による「ハレルヤ」は、今も昔も変わらず響き渡り、
その歌声は、それぞれの心に深く刻まれていました。
服装や髪型にも西高らしさが表れ、自由と個性を大切にする校風が、あらためて感じられる場面でもありました。

卒業生に向け、力強いメッセージが贈られた式辞。
校長先生からは、変化の激しい社会において大切なのは知識そのものではなく、
問い続ける力とやり抜く力であること。
自分の言葉で人生を選び、仲間を信じて歩み続けてほしいという言葉が贈られました。

輔仁会会長からは、社会は自ら考え判断し続ける場である一方、
挑戦によって夢を実現できる場でもあること、
そして困難を乗り越える力と仲間とのつながりの大切さが語られました。
PTA会長からは、自分の価値観に誠実に向き合い、
主体的に人生を選択していくことの大切さとともに、
西高の精神である「自由」の意味が伝えられました。
最後に、「ちょっと待った!」の声を合図とした呼び掛けも行われ、
西高ならではの文化が感じられる場面となりました。
さらに、先生方による「ちょっと待ったコール」のあと、映像が披露されました。
その中では、日頃は少し固い印象の先生たちが、
どこかぎこちない動きで、卒業生のために一生懸命に踊る姿もあり、
会場には笑いが広がりました。
続いて映し出された三年間の想い出を綴った写真や、
異動された先生方からの言葉には、
涙する生徒の姿も見られました。
そして直後には、先生方にも知らされていなかった花束贈呈のサプライズ。
各クラスから担任の先生へ届けられたメッセージには、
(改行)一人ひとりの想いが込められており、
思わず涙を流す先生の姿が印象的でした。

その光景からは、三年間の中で育まれてきた、生徒と先生との確かな絆が感じられました。
また、成長した我が子の姿をしっかりと頷きながら見守る保護者の皆さんの目に浮かぶ涙から、これまでの歩みと深い想いが伝わってきました。
式後、生徒たちは教室に戻り、担任の先生からの最後のメッセージに耳を傾けていました。
それは三年間のすべてを受け止め、これから先へ送り出す、たった一度の言葉でした。
その後、アトリウムで思い思いに記念写真を撮り合うその光景は、30年前と何も変わりません。
写ルンですがスマートフォンに変わったくらいで。

改めて思います。西高は、本当に良い学校です。
「空ひろし 空ひろし」。
私たちが西高生でいられる時間は、三年。
しかし、西高が私たちに問い続けているものは、一生なのかもしれません。
成功しろとも、優秀であれとも言っていません。
若く ― 志を捨てず
正しく ― 人格を曲げず
新しく ― 思考を止めない
その姿勢こそが、本校で受け取った最も大切なものです。
その言葉を胸に、それぞれが自分の道を歩んでいくことを願っています。
そして願わくば、いつの日か振り返ったとき、
自分の人生そのものが――
西高で歌った“自分の賛歌”であったと、胸を張って言える日が来ることを。
それは、今を生きる私たち輔仁会の一人ひとりが、
それぞれの場所で歩み続けている姿でもあります。
それこそが、輔仁会の歩みそのものなのかもしれません。